賃貸業界においては、毎年1月~3月は「転勤や就職、進学」等の時期がぶつかることから、多くの方がお部屋探しをされます。
またこれから同棲を開始される方においては、ほぼ通年でお部屋探しをされているのが現状です。
CHINTAI情報局の調べによると、同棲を始めた理由として最も多かった意見は
「結婚を見据えて」
同棲を開始したとのこと。
結婚や婚約後に一緒に住むのではなく、所謂「お付き合い」の段階から一緒に住むことによって、お互いの表と裏の部分を把握することができるという面では、ある意味に有効的と言えますし、また同棲することによって「生活費を抑えられる」という面においても、メリットが大きいと思われます。
同棲を開始する場合、大抵は「賃貸アパート」を選択される方が多いと思いますが、ここで悩んでしまうのは「間取り」ではないでしょうか?
Yahoo!不動産の投稿欄に、これから同棲を開始される方の投稿がありました。
同棲を今後検討されている方にとって、参考になる記事だとは思いますので、ぜひご覧下さい。
目 次
①2年後にすでに転勤が決まっている
②1階はゴキブリが出やすいの?
③希望条件について
④同棲するなら2LDKがおススメ
⑤室内クリーニングについて
1.質問内容とは?
Yahoo!不動産ページに投稿された内容を、掲載いたします。お部屋探しをするにあたって、重要となる部分は「太字」にしてあります。
2年後には私の転勤が決まっているのですが、結婚前に相性を確認しておきたいということで、初めて同棲をすることにしました。
ネットで物件探しのコツを調べても、なんだか曖昧なアドバイスしか出てこず、経験者だからこそのアドバイスがもう少し欲しかったので質問することにしました。
実際に知人に聞いた中では、「1階はゴキブリが出やすいからやめておいた方がいい」というのが、目から鱗のアドバイスでためになりました。そういったご助言を期待してます。
自分たちについてですが、2人とも都心に電車で通勤しており、今は神奈川にあるそれぞれの実家に住んでいます。また彼女は週4日、私は週2日ほどテレワークになる予定です。それから2人合わせたら給料は40万ちょっとです。
今のところは、
賃貸・1LDK・家賃10万円程度・40m2・鉄筋鉄骨・通勤30分・駅徒歩15分・南向き・2階以上・オートロック・築15年以内・エアコン付・追焚機能
といった条件で探してます。
本格的に内見など始めるのは、仕事の関係もあり来年の1月中旬ごろからにしようと考えています。
仲が良いので喧嘩もしたことはありませんが、「同棲したら絶対喧嘩するから2LDKにしておけ」というようなアドバイスも歓迎です。
必要な家具とか、DIYできるところがいいとか、近くに図書館があるところがいいとか、治安の良さはこう調べればわかるとか、不動産屋にこういう質問をしろとか、なんでもいいのでアドバイスください。
2.問題点&改善点
お部屋探しがうまくいくコツとしては、賃貸サイト情報をうのみにしないことです。
確かに、賃貸サイトは「希望条件を入力」することによって、お客様の希望条件に合ったお部屋を掲載することができるので、お部屋探しに充てる時間を短縮できる点にいては、メリットであることには間違いありません。
一方、希望条件によっては「掲載物件数が少なくなってしまう」可能性が十分にあり得る話なので、もし掲載された物件が少なかった場合には、条件を少し緩和するなどといった対応をされると、希望通りのお部屋が見つかるはずです。
では、今回投稿された質問について、どの部分が問題なのか?またどのような改善点があるのかを、一緒に考えていきましょう!
①2年後にすでに転勤が決まっている
居住用の賃貸借契約は2年となっているため、恐らく更新せずに賃貸を借りることになると思われますが、ここで問題なのは「契約日をいつにするのか?」
質問者様の投稿を見てみると、内見は来年の1月中旬ごろとのことですが、仮に1月下旬に賃貸借契約が完了した場合、基本的に転勤は「4月1日付で着任」となっていることから、最低でも3月中旬ごろまでは「お部屋を借りていなければならない」ので、更新手続きをしなければなりません。
関東地方における賃貸市場では、更新時に更新料が発生するところがおおことから、今回のケースでは更新料を支払った上で、数か月住み続けることになることから、ある意味更新料分がもったいないと思われます。
対策としては、更新料対策をするのであれば「契約日を来年3月にする」ことをおススメします。なお、更新日直後に退去する場合、原則論では「更新料支払いが求められます」が、退去が確定している場合においては、事情をお話すれば(出来たら入居申込時に確認したほうがベスト)理解して頂ける可能性があり、更新料分は不要としてくれるはずです。
②1階はゴキブリが出やすいの?
1階はゴキブリが出やすいのかというご質問ですが、高層階に住まない限りは、どの階でご入居されても「ゴキブリは発生」してしまいます。
ゴキブリは「少しの隙間」さえあれば「簡単に室内に侵入」してしまいますので、賃貸アパートでは、ゴキブリが出ないお部屋などはあり得ない話。またゴキブリは「生ごみ」等のニオイにつられて侵入してくることから、ニオイ対策をしていないお部屋や、また段ボールを室内にためっぱなしにしているお部屋においては、ゴキブリが住み着く恐れ(特に冬)があるので、日常生活上において「だらしない生活」をしていると、ゴキブリは発生してしまいます。
では、どのような対策を講じればいいのか?
1)入居前に「業者さんによるムシ駆除」を行ってもらう
初期費用のオプションで「ムシ駆除」があります。
これは、専門業者さんが入居前に「人体に影響が出ない業務用の駆除剤」を室内に散布すると同時に、ゴキブリが侵入してくる可能性が高い「水回り部分」において、隙間などがあった場合には「隙間をふさいでくれる」ことから、所謂バルサンを入居前に焚いただけのお部屋と比べると、入居後における「ゴキブリ発生率」は、格段に低下します。
ただし、業者さんによるムシ駆除の効果は「限りがある」ので、日常生活上に置いて「窓や玄関ドアを開けっぱなしにしない」「生ごみなどは、しっかりと密閉した上で、フタがあるごみ箱に入れる」「段ボールを室内にため込まない」「市販の駆除剤を使用する」ことによって、ゴキブリが発生しにくい環境となります。
2)業者委託以外の方法は、効果は期待できない
ムシ駆除を依頼すると、それだけで初期費用が2万円ぐらいアップとなってしまうので、初期費用を抑えたいと考えている方は「それならバルサンなどの市販の駆除剤を撒いた方がいいのでは?」と思いますよね?
もちろんですが、バルサンなどの市販の駆除剤を撒いても「十分効果は期待できます」が、ただ先ほども述べさせて頂きましたが「ゴキブリは、少しの隙間でも簡単に侵入」してしまう生き物であることから、特に水回り部分(配管部分)に隙間があれば、市販の駆除剤を撒いたとしても、薬剤の効果が無くなったころには「すぐにまた出てしまう」ことが予想されるので、嫌な思いをするだけです。
それならば、費用は掛かってしまうものの「業者さんに委託」して、しっかりとゴキブリ対策をした方が、費用対効果の部分においてもオトクと言えます。
③希望条件について
お部屋探しをされている方にとって、やはり築年数、設備が充実している部屋は「魅力を感じてしまう」と思いますが、ただ多くの方が望んでいる条件のお部屋というのは、実は家賃が高くなってしまう(=需要が多いこともある)ので、もしかすると予算オーバーになってしまう可能性が高くなります。
もし予算オーバーとなってしまった場合、どのような探し方をすればいいのでしょうか?
1)急行停車駅→各駅停車駅周辺の部屋
大都市圏にお住まいの方は、主に公共交通機関(とりわけ電車移動)を利用される方が多いですよね?
電車利用されることが多い方にとって、利便性が高い駅(急行や特急停車駅周辺)に住みたいと考えてしまいがちになりますが、ただ急行や特急停車駅周辺は、人気エリアということもあるので、家賃は割高傾向となっています。
そこでおススメなのが、各駅停車しか止まらない駅周辺で、お部屋探しをされること。
これは私事ではありますが、大学生のころ東京で一人暮らしをしていました。
最初は「小田急線の下北沢駅」周辺で物件探しをしていましたが、下北沢駅は「人気エリア」ということもあるので、家賃割高傾向となっており、予算にあった部屋を見つけることができたものの、その物件は「駅から徒歩10分以上」でしかも物件周りにはコンビニなどが少ないこともあり、住むのには不便だなと感じました。
そこで打開策として「下北沢駅から2つ目先の梅が丘駅」で、予算にあったお部屋探しをした所、駅から徒歩3分で予算にあったお部屋を見つけることができました。
都心の電車は、急行停車駅などで「各駅停車に連絡・待ち合わせ」をしていることが多いため、1回は乗り換えは必要となりますが、乗り換えすることによって「予算にあった部屋」に住めるという部分においては、妥協する価値は十分にありです。
2)リノベーション物件を検討する
築浅物件などでは、どうしても家賃が割高傾向となってしまうため、予算オーバーになってしまいがちに…。またこれから同棲を開始するとなると、女性(彼女さん)的には「おしゃれな部屋」を要求されることは、ほぼ間違いない事となるので、それら条件にあった部屋を探さなくてはなりません。
そこでおススメなのが、リノベーション物件を検討することです。
リノベーション物件とは「築年数が経過している物件を、新築並みの部屋に蘇らせる」部屋のことを指し、一見すると「ここが古い物件なの?」と疑ってしまうぐらい、室内空間がおしゃれになっています。
また家賃の部分においても「新築と比べてリーズナブル」となっていることから、予算を抑えたい方にとっては、理想的な部屋と言っても過言ではありません。
3)インターネット無料物件の最大のデメリットとは?
今の時代、仕事やプライベートで「調べ物」をする時には、インターネットを利用するのが当たり前となっているので、賃貸物件においても「インターネット」が利用できなければ、日常生活に支障をきたしてしまいます。
近年においては、入居者ニーズを満たすために、新築物件ではもちろんですが、一部の築古物件においても「インターネットが無料で使用」することができます。インターネットが無料物件では、入居後すぐにインターネットが使えるので、毎月のランニングコストがかからない点においては、メリット大と言えます。
ただその一方で、インターネット無料物件では「一つの回線をお部屋で共有」していることから、多くのご入居者様がいる夜の時間帯において、YouTubeなどの動画を一斉に見てしまうと、回線に負荷がかかり「動画速度が低下」してしまう恐れがあり、さらに今の時代は「テレワーク」が当たり前となっていますが、オンライン会議をお部屋で行うと、どうしても速度低下が出やすくなってしまいます。
仕事上において、オンライン会議の環境が適切でないと、仕事に支障をきたしてしまいますので、インターネット環境をよくしたいと考えている方は、インターネット無料物件は避けた方が無難かもしれません。
なお、某大手管理会社に勤務している担当者も、この点は十分に把握しています。
インターネット無料物件の中には、「追加料金」を支払うことで、インターネット環境を改善してくれますが、ただこれにも限界があるとのこと。一部のお客様は「ご自身でプロバイダ契約」を結んで、回線を室内に入れる方もいるとのことですが、この場合退去時に「原状回復は発生する」とのことです。
④同棲するなら2LDKがおススメ
二人暮らしなら、1LDKで十分と思っている方もいるはずですが、個人的には2LDKをおススメしています。
・2部屋中1室を寝室として活用し、もう1室は「仕事用」として活用することができる
・ケンカして、頭を冷やす時には、1LDKより2LDKの方がいい
・二人暮らしで1LDK賃貸の場合、収納力が弱い可能性が…
⑤室内クリーニングについて
賃貸業界では退去後に「室内クリーニング」が行われます。
これは、退去後「汚れがつきやすい水回り」部分を中心に、次のお客様に快適に住んでいただくため、清掃業者さんによるクリーニングを行います。
入居前(出来たら申込時)において、確認してもらいたい点は「実施済みの室内クリーニングにおいて、備え付けのエアコンは含まれているか」という点。
実は、管理会社によっては「エアコンクリーニングがされていない」場合があり、もしエアコンクリーニングがされていないと、最悪エアコン内部がカビだらけの状態で、エアコンを使用することになるので、人体には悪影響を及ぼしてしまいます。
もし、エアコンクリーニングがされていない物件であるならば、おそらくこのような物件は「入居後しっかりした管理をしてもらえない」可能性が高くなるので、入居はしないほうがいいのかもしれません。
3.まとめ
いかがだったでしょうか?
賃貸物件といっても、物件を管理している管理会社によっては、対応が全く違っているので、場合によっては「ハズレ物件」を紹介されてしまう恐れがあります。
繰り返しになってしまいますが、二人暮らしするために、これから物件探しをされる方は…
☑転勤が確定的で4月1日着任の場合は、契約月は3月がおススメ
☑低層階のアパートでは、どのような部屋でもゴキブリは出る
☑ムシ駆除を入居前に行うことで、ゴキブリが出にくい部屋となる
☑予算オーバーの場合、条件変更するだけで理想に近い部屋が見つかる
☑テレワークをする方の場合、インターネット無料物件はおススメできない
☑物件によってエアコンクリーニングを行っていない所がある
☑担当者がお部屋のメリット・デメリットをしっかりと説明しているか
上記ことを頭に入れておきながら、お部屋探しをされると、理想に近い部屋を見つけることが可能となります。
お部屋探しの際、参考となれば幸いです。
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