賃貸物件における家賃支払い日は、おおよそ月末(25日・27日)となっていますので、家賃支払い日までには、引き落とし口座(入居直ぐの場合は送金の場合がある)に、家賃分を入金しなければなりません。また、家賃引落日が「土休日」になっている場合には、前日もしくは休み明けのどちらかになりますが、こちらに関しては管理会社によって、引落方法が異なっているので、注意が必要です。
家賃引き落としができなった場合の事例として、うっかり家賃分を入金するのを忘れてしまうということは、1回ぐらいは経験したことがあると思います。
当然ながら、管理会社では「家賃入金が確認できなかった」ので、ご入居者様に「再度家賃支払いをお願いする」ことになりますが、もし家賃支払いをうっかり忘れていた場合、どのような対応をとればいいのでしょうか?
目 次
1.再引落日までに家賃分を用意する
管理会社で「家賃引き落としが確認できなかった」場合には、管理会社から「再引落日の関する通知」が、郵送などで届きますので、再引落日までに家賃分を引き落とし口座に準備してもらえればOKです。
2.再引落日までに、引落ができない場合「滞納」履歴がつく
再引落日までに、家賃引き落としができなかった場合、管理会社では「お客様が家賃を滞納している」という認識で対応します。
近年では、大手管理会社ではもちろんのこと、街の不動産屋さんが管理している物件でも「保証会社」を利用しているケースがあるので、もし再引落日までに家賃が引き落とせられなかった場合には、管理会社では保証会社に「家賃分に対する代位弁済請求」を行い、未納分の家賃を立て替えてもらい、オーナーさんに支払います。
代位弁済請求を起こされたことによって、保証会社ではこの時点で「初めてご入居者様が滞納している」事実を知ります。
代位弁済請求が発生した後、保証会社からご入居者様に「立替分の家賃」を返してもらうようにお願いすることになりますので、当然ではありますが「立替分の家賃」は支払っていただく事になりますが、実はこの時点ですでに、ご入居者様の家賃滞納したという情報が、信用情報機関に掲載されてしまいます。
管理会社が提携している保証会社は、大きく分けると3つのグループに分けられています。
管理会社の関連会社が運営している「独立系」
保証業協会などに加盟している「信用系」
信販会社が運営している「信販系」
このうち、独立系と呼ばれている保証会社は、信用情報機関などを利用していないので、他社物件で滞納していた事実があっても、確認することができませんが、信用系・信販系ではそれぞれ「信用情報機関」をもっていることから、他社物件であっても管理会社が「信用系・信販系」の保証会社を利用していた場合には、滞納履歴を確認することができます。
滞納歴がついてしまうと、仮に他社物件で部屋を借りようと思っても、管理会社が信用系・信販系の保証会社を利用していた場合、入居審査で「すぐに滞納履歴がある」とわかり、この事実は管理会社に報告されてしまいます。
1回ぐらいならば、入居審査即落ちるということにはなりにくいものの、滞納回数が多いと、さすがに管理会社としても「入居させてしまうと、滞納する可能性が高くなるのでは」と考えてしまい、入居審査を通すことが難しくなってしまいます。
3.家賃保証会社より連絡が来る
家賃滞納した事実を知った保証会社では、ご入居者様に「立替分の家賃を支払ってもらう」ように、電話連絡を行います。
コンプライアンスを遵守している保証会社では、法的にアウトになるような家賃回収などは一切行ってはいません。まずはご入居者様に電話連絡し、滞納分の支払い方法などについて相談させてもらい、保証会社によっては「分割支払いも認めている」こともあります。
もし家賃滞納分が返金されず、電話連絡をしても応答がない場合には、保証会社の担当者が「ご入居者様のお部屋」に訪問することがあります。
実は担当者がお部屋訪問をする時、家賃滞納が2か月目になっている可能性があり、この時点で家賃を支払ってもらわないと、自力で支払うことは非常に難しくなってしまうばかりではなく、ここまでの状況になると、大抵のお客様は「匙を投げて」しまい、家賃支払をしなくなってしまいます。
4.家賃滞納3か月連続で、基本的に退去
お部屋を借りられる側は、お部屋を貸す側より「立場が弱い」こともあるので、借地借家法によって、借家権が認められていることもあり、正当な理由なしでは、仮に家賃滞納していたとしても、賃貸借契約は解除することはできるものの、退去させることはできません。
過去の判例では「家賃を連続3か月以上滞納している」場合には、賃貸借契約上における「借主と貸主との信頼関係が破綻」しているとみなすので、保証会社では家賃を3か月以上滞納した方に対して、不動産明け渡し訴訟(所謂強制退去)を起こします。
裁判になった場合、仮にご入居者様が弁護士を雇って交戦したとしても、裁判で勝訴できる確率は「皆無」と言ってもいいぐらい、勝ち目はありませんので、最終的にはお部屋から退去して頂く事になります。
なお、強制退去歴などがついてしまうと、信用情報が消去(大体5年ぐらいと言われています)されるまでは、仮にお部屋を借りたいと思っても、信用情報を確認できる管理会社では、一発で入居審査に落ちてしまうので、お部屋探しが非常に厳しくなってしまいます。
5.まとめ
家賃引落日までに、家賃分が引き落とせられないケースというのは、よくあることなので、再引落日までにご準備して頂ければ、何ら問題はないのですが、ただ再引落日までに家賃分を準備して頂けないと、滞納履歴が残ってしまい、滞納を繰返す(裁判に移行するのは基本的に「家賃連続3か月以上」)と、その履歴がしっかりと保証会社で把握することができ、お客様が管理会社が別の物件に入居しようと思っても、信用情報を確認できる保証会社を利用していた場合には、保証会社から管理会社に連絡が届くので、仮に保証会社審査が通過したとしても、管理会社審査では「落とされる可能性」が非常に高くなってしまいます。
家賃滞納してしまうと、お客様にとっても、今後の賃貸探しが非常に難しくなってしまいますので、もし家賃支払いが厳しくなった場合には、すぐに管理会社まで連絡して下さい。
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