賃貸物件を退去する際には、原状回復義務があることから、入居時と同じ状態に室内を戻さなくてはなりません。
ただ入居期間が長くなってしまうと、当然ではありますが、入居時と同じ状態に戻すことはできませんが、通常使用における壁紙の劣化などに関しては、借主に原状回復義務がないので、一安心することができますが、ただここで心配なのは「退去時までに、どのよう程度まで掃除を行えばいいのか」ではないでしょうか?
基本的に、退去後に「室内クリーニング」が入るので、専門的な掃除は「清掃業者さん」が行ってくれるものの、ただ通常の室内クリーニングでは落としきれない汚れなどがあると、退去時に「追加費用」を請求されてしまう可能性が高いので、退去する前に、一度掃除をされることをおススメしていますが、ではどの程度まで掃除を行えばいいのでしょうか?
目 次
1.換気扇は定期的な掃除が必要
日常生活上における「室内掃除」において、最も面倒な掃除といえば、換気扇だと思われます。
換気扇の位置はキッチンより高いところにあり、また換気扇フードの中に設置されていることから、取り外しが面倒な上に、油汚れがしっかりと付着していることから、出来るだけ掃除をしたくないと思っている方が多いのではないでしょうか?
ただ、賃貸物件において「キッチン換気扇掃除」を怠けていると、退去後に行われる室内クリーニングの通常作業では「汚れが落としきれない」おそれがでてきて、もしこのような現象があった場合には、退去時に「追加費用」を支払わなければならなくなります。
換気扇を掃除する際には、バケツの中に重曹水を作り、その中に換気扇を漬け込むことによって、掃除がしやすくなりますので、おススメです。
2.浴室を使用前後は、換気扇+ドアは閉める
賃貸物件にある浴室には、窓が設置されていないケースが多いので、換気をする時には、換気扇を使わざるを得ません。
しかし、浴室換気扇をつけっぱなしにすると「電気代が高くなる」といったイメージが強くなってしまうので、ご入居者様の中には「浴室換気扇をつけずに、浴室ドアを開けっ放し/閉めっぱなし」にされる方がいるのではないでしょうか?
実は換気扇を使わずに、浴室ドアを開けっ放し/閉めっぱなしにすると、浴室又は洗面脱衣所内に「カビ」が発生させてしまう原因を作ってしまうので、退去費用を抑えたいのであれば、絶対にやめてください。
【浴室ドアを開けっ放しにした場合】
入浴後、浴室ドアを開けっ放しにすると、湿気が洗面脱衣所内に流れ込んでしまい、壁紙は湿気を吸い込んでしまう性質があるので、毎回同じようなことを繰返していると、壁紙にカビが生えてしまう可能性が出てきます。
壁紙に付着したカビが取れない場合には、善管注意義務違反となる可能性が高いので、退去時「壁紙交換費用」を支払っていただく事になります。
【浴室ドアを閉めっぱなしにし、換気扇不使用の場合】
入居中や入浴後に、浴室換気扇をつけずに、浴室ドアを閉めっぱなしにすると、浴室内で発生した湿気は「逃げ場」がなくなってしまうので、カビが生えてしまう要因となります。
特に浴室内には、コーキング(ゴムパッキンみたいなもの)が打設されているケースが多くなりますが、入居してわずか数年で、コーキングにカビが付着した場合には、こちらも善管注意義務違反になる可能性が高く、もし認定されると「コーキングの打ち直し費用」を請求されることがあります。
浴室内の掃除方法としては、まずは浴室換気を徹底させることはもちろんですが、浴室内のカビ予防としては、壁に付着している水滴を、使用済みのバスタオルなどで「ふき取る」だけでも、効果的になります。
また定期的に、カビキラーなどのカビ用洗剤などを使って掃除することで、浴室内にカビが付着しづらくなりますので、効果的になります。
3.室内でタバコを吸う際には、換気を徹底する
愛煙家の方にとって、今の時代では「禁煙エリア」が多くなってきているので、気軽にタバコが吸えるのは、自宅だけになっているかもしれません。
ただ賃貸でタバコを吸う場合には、注意が必要です。
室内でタバコを吸う場合、換気を徹底しないと「タバコの煙が壁紙に染み付く」ことから、ニオイが取れなくなってしまうと、退去時「壁紙交換費用」を請求されてしまいます。
壁に付着したタバコのニオイは、そう簡単に取れるものではなく、プロの内装屋さんでも、ヤニのニオイは取ることができないと言っていることから、退去費用を抑えたいのであれば、例えばキッチン換気扇付近で、換気扇を回しながら吸う以外、方法はありません。
4.まとめ
最近のお客様は、室内をきれいに使用する傾向が強いこともあり、退去費用が高額になる方は、殆どいません。
退去費用を抑える方法としては、定期的に掃除を行うこと、またマナーを守った生活を送ることの2点さえを、しっかり確認することができれば、まず安心と言っても過言ではありません。
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