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賃貸を探す時、やはり都市ガスの方がいいの?

更新日:2023年1月3日


賃貸物件を探される時、家賃や築年数、エリアも気になりますが、それと同等と言ってもいいぐらいに、「毎月発生するランニングコスト」も気になってしまいますよね?

 

▶賃貸部屋探しについては、過去記事をご覧下さい。

 

賃貸物件において使用されているガスは、「都市ガス」「プロパンガス」のいずれかとなります。


「都市ガス」は単価が安く設定されているので、単価自体を見てしまうと、オトクとなっているので、誰もが「都市ガスが設置されている物件」に入居したほうがいいと判断しがちになります。


ただし都市ガスには思わぬ盲点が隠されていることに、多くの方はご存知ではありません。


本投稿は賃貸に入居する時、本当に都市ガスの方がメリットがあるのか?について、お伝えさせてもらいます。


 

▼目 次

1.都市ガスとプロパンガスについて

2.地方都市では都市ガスが普及されていない

3.都市ガスの思わぬ盲点とは?

4.プロパンガスは自由価格

5.まとめ

 

1.都市ガスとプロパンガスについて

都市ガスとプロパンガスについて

都市ガスとプロパンガスは「ガス」ではありますが、実は性質が全く異なっています。

簡単ではありますが、都市ガスとプロパンガスの違いについて、お伝えいたします。


【都市ガスとは?】

都市ガスは「液化天然ガス(LNG)」を使用しています。主成分はメタン。

都市ガスのメリットは、広域に設置されている「地下のガス導管」を通じて配給されています。

輸送コストを抑えられる点+ガス熱量が低いので、単価を抑えられることから、プロパンガスよりも「安い」というイメージが強くなってます。


なお、都市ガスの配給ができないエリアは、当然ながらプロパンガスを設置しなければならなくなります。


【プロパンガスとは?】

プロパンガスは「液化石油ガス(LPG)」を使用しています。主成分はプロパン・メタン。

賃貸検索サイトの詳細ページに「LPガス」と表示されている物件は、プロパンガスを使用しているという意味です。


プロパンガスは各家庭に「ガスボンベ」を配達しなければならないので、必然的に「輸送コスト+人件費」が発生してしまうため、ガス料金に上乗せされています。更に熱量が都市ガスの2倍発生してしまうことから、価格面だけを見てしまうと「プロパンガスは高い」というイメージが先行してしまいます。



2.地方都市では都市ガスが普及されていない

地方都市では都市ガスが普及されていない

都市ガスは「大都市圏」では普及されているものの、地方都市においては「普及が遅れている」のが現状です


その理由としては「地下に埋設しなければならないガスの導管」のコストに対して、利益を確保することができるかどうか、ガス会社もシミュレーションをしなければならないので、利益が出ないエリアに「わざわざガス導管を埋設」することはないため、普及率にばらつきがあるのも、一利あると思います。


一方プロパンガスは「ガスタンク」ひとつ準備することによって、後は各部屋に配管をつなげるだけとなることから、都市ガスと比べて「コストがかかりにくく」なるため、賃貸でプロパンガスが多いのは、この様な問題が背景にあるものと思われます。



3.都市ガスの思わぬ盲点とは?

(1)都市ガスの熱量はプロパンガスの2分の1

都市ガスの発熱量は11,000kcal/㎥に対し、プロパンガスはその倍の24,000kcal/㎥。

一見すると、プロパンガスの方が「熱量が多いのだから、明らかに消費量が多い」と思われてしまいますが、そういうことではなく、都市ガスは熱量が少ないのでプロパンガスの2倍の熱量を使わざるを得ないので、実は単価だけを比較すると「それほどの差が生じていない」のが現実です。


(2)自然災害時、復旧が遅れるのは都市ガス

都市ガスは「地下に導管」があるため、大規模地震が発生した際、完全復旧するまでに「時間がかかりすぎてしまう」のが最大のデメリット。一方プロパンガスは、配管などに異常がなければ、すぐに使用できるので、災害時においてはプロパンガスの方が圧倒的に優位になります。


(3)ガスコンロ

都市ガスとプロパンガスは、使用しているガスが異なるため、ガスコンロに関しても「専用のもの」を使う必要があります。


賃貸物件においては「ガスコンロ」はお客様の方で準備するところが多いのですが、今まで都市ガス用のガスコンロを使用していた方が、プロパンガスが設置されている物件に入居した場合には、プロパンガス用のガスコンロを用意しなければならなくなります。



4.プロパンガスは自由価格

プロパンガスは自由価格

プロパンガスを供給している会社では、昔から会社独自で「価格を設定」していますので、ガス会社によって「基本料金及び従量料金(ガス単価)」に大きな差異が発生してします。


今では、プロパンガスの相場を確認することができるため、ご入居されている物件の基本料金及び従量料金が相場より高い場合、ガス会社にクレーム/単価の引き下げをしたくなってしまうものですが、ただ借主にはガス会社に対して「単価引き下げ交渉」を行う権限は一切ありません。


貸主しか交渉することはできません。


その理由は、ガスタンクの所有者は貸主。名目的には貸主がガス会社からガスを仕入れていることになるため、貸主には一切交渉権限はありません。



もしガス単価が「相場より明らかに高い」場合には、管理会社経由で貸主にお願いするしか方法はありません。ただ昨今は原油価格が高騰しているので、ガス会社もそう簡単には、ガス単価を引き下げてもらえるとは、難しいのが現状です。



5.まとめ

賃貸物件に入居される場合、都市ガスの方がメリットが大きいと思われがちですが、ご紹介した通り、都市ガスは熱量がプロパンガスの約半分なので、例えばお湯を交わす場合には「2倍の熱量」が発生することから、ガス単価が標準であれば「都市ガスとの差」は、実はそれほど多くはありません。


ただプロパンガスは「ガス供給会社」が自由に決めているので、ガス会社によっては「ガス単価が異常に高い」ところもありますので、その点は注意が必要です。


 

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