募集している賃貸物件で敷金が設定されている場合は、入居時に敷金を仲介会社経由でオーナーさんに預け入れることになります。
賃貸の敷金は担保金要素が強く、入居期間中に夜逃げ／家賃滞納がなければ没収されることはなく原則退去時に返還されます。
ただ実際のところ敷金は全額返還されることはありません。
どうして夜逃げ／家賃滞納していないのに敷金が退去時全額返金されないのかというと…
退去後室内クリーニングを行いますが、費用は賃貸借契約上入居者様負担
入居中に故意過失による破損や汚損をした
場合は敷金から相殺され、残った金額が返金されるからです。
入居期間中故意過失による設備／内装などの破損や汚損がない場合は、室内クリーニング費用が相殺されるだけですが、破損や汚損が多くなると敷金だけでは足りなくなりマイナスになることも考えられます。
ただ実際のところ退去時の入居者様負担（原状回復費用）が敷金以上になることは稀ですが、余分な退去費用を支払わないためには入居期間中丁寧な生活を送ることが重要です。
入居者様負担となる破損や汚損の代表例をまとめると以下の通りとなります。
壁紙にタバコのヤニや黄ばみが付着
換気不十分な状態で室内でタバコを吸い続けていると、壁紙が黄ばむ／ニオイが付着しクリーニングしても入居前の状態に戻すことはできません。
たばこが原因による黄ばみ／ニオイに関しては、入居者様責任となり汚損した部分の壁紙費用を請求されます。（たばこが原因による劣化は減価償却の対象外となります）
カビを放置した結果、壁紙が汚れた場合
結露／湿気の影響で壁紙にカビが付着してしまうことがありますが、カビが発生していたことを認識していながら放置した場合、善管注意義務違反となり汚損した壁紙一面の費用を退去時請求されてしまうことがあります。
引っ越しなどで発生した壁・床のキズ
引っ越しなどで家具や家電を移動させている最中に、誤って内装にキズをつけてしまった場合、これは入居者様が故意により破損させたと認定されてしまうため、退去時原状回復費用を請求されてしまいます。
引っ越しなどで、家具や家電を移動させている最中、誤って壁や床に傷をつけてしまうと、これは借主側の責任になってしまい、退去時に修繕費用を請求されます。
なお、入居前にあったキズなどは対象外です。
浴室にカビが発生した場合（短期入居の場合は要注意）
浴室は湿気が高い場所のため他の部屋と比べカビが発生するリスクは高くなります。カビを付着させて汚れが落ちなくなってしまうと、善管注意義務違反となり入居者様が原状回復費用を支払うことになります。
浴室のカビ発生を予防するには…
定期的に掃除する
浴室ドアを閉め24時間換気扇はつけっぱなし
にすることが鉄則です。
室内クリーニングでは落としきれない汚れがある場合
退去後清掃業者さんが専用の薬剤を用いて室内をきれいに掃除します。多少の汚れが室内に付着しても特段問題にはなりませんが、入居期間中掃除をほとんどしていない方の場合、汚れによっては通常清掃では汚れが落としきれないことがあります。
このような場合追加費用が発生し、故意過失と認定されると入居者様に費用請求されてしまうため注意が必要です。
入居前に渡された鍵を紛失してしまった場合
入居される前に、仲介会社から部屋のカギを渡されますが、渡されたカギは退去時全て返却することになっています。もし1本でも無くした場合は原状回復費用が発生します。
近年では退去費用を抑えようと考える方が多いため、昔と比べるとペット可能物件以外退去費用が高額になることは殆どありません。
管理会社物件に入居していた場合は、担当者が現場確認を行いますが、オーナーさんが自分で物件管理している自主管理物件ではオーナーさんが退去立ち合いを行うため、賃貸管理知識がないと本来ならば請求すべきではない部分までも入居者様に請求することがあります。
あまりにも高すぎる退去費用（故意による破損や汚損は除く）となった場合は、消費者生活センターなどに相談＋その場でサインはしないことをおススメします。
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