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自主管理物件でオーナーさんとトラブル。どのように対応したらいいの?


賃貸物件における管理方法については、大きく分けると2つあります。

ひとつは、不動産管理会社さんに「管理を丸投げ」するタイプ。今では8~9割強の物件で採用されている管理方法で、賃貸物件にかかわるあらゆる問題を、管理会社が対応し、物件によっては24時間管理をしている所もあるので、安心して生活することができます。


一方、数的にはあまりないのですが、物件管理全てを「オーナー」さんが行っている「自主管理物件」と呼ばれている管理もあります。自主管理のメリットは、契約自体にもよりますが、仲介手数料や更新料など、通常の賃貸物件では「必ずある」費用が無料となっている場合があるので、初期費用や更新料を抑えたい方にとっては、とても魅力的です。


さらに、大手管理会社や街の不動産屋さんが管理している物件では、近年「家賃保証会社」に加入することを入居条件に入れていますが、自主管理物件では「保証会社不要」の場合もあるので、掛け捨てになってしまう保証料支払いが無くなる点は、メリットであることは間違いありません。


自主管理物件では、オーナーさんが管理認識が疎いこともあるので、トラブルになりやすくなります

ただ、その一方で自主管理物件の場合、賃貸管理に精通していないオーナーさんが管理をしていると、確実にご入居者様と「衝突」してしまい、結果的に嫌な思いをしてしまうケースが出てきます。


Yahoo!Japan不動産ページに、自主管理に関するトラブル記事が掲載されていましたので、一部を抜粋し、この様なトラブルが発生した場合、どのように対応すべきなのかについて、解説したいと思います。


 

【物件について】

・2020年5月に入居。自主管理物件。

・女性専用の単身マンション。オーナーさんの自宅がマンションの隣にある。

・友達が来るけれど、特定の友達だけで、仲介会社OK。来客用駐車場も借りてもOK。


【トラブル内容】

・友達を室内に入れて、一緒に出ようとした時、オーナーさんの旦那さんと名乗る人物から強い口調で「ここは単身専用なのに、二人暮らしをしているのか?契約違反だから即退去だ」「駐車場に借主以外の車を停めることは聞いていない」


【その後の対応】

・仲介会社に連絡をして、オーナーさんの男性が言っていることが「誤解」であることを説明し、後日オーナーさん(奥さん)が正式に謝罪。契約時の条件はすべて認める。

・ただ次の日、またオーナーさんの旦那さんからクレーム。やはり同棲みたいなことをしているのは許せない。


【ご入居者様の心境】

・できれば、すぐにでも退去したいが「引越し資金」がない。どうしたらいいのかわからない。

 


自主管理物件におけるオーナートラブルに関しては、公的機関に相談されることをおススメします

今回のケースは100%オーナーサイドが悪いと言っても過言ではなく、結論から言うと「公的機関に訴える」と一言言えば、相手方はビビるはずです。


その理由について、解説していきます。


①契約時において、すでに仲介会社・オーナーさんに了解済み

女性単身向けマンションであったとしても、当然お友達が遊びに来るときは、あり得ることであり、そのことを契約前に「仲介会社」「オーナーさん」双方に確認・了承をした時点で、友達が来ることに対して、オーナーサイドからクレームを言うこと自体は不可であり、さらに宿泊に関しても、例えば女性向けであったとしても「外部者の宿泊は禁止」と契約書で謳っていない限り、それに対して注意をすること自体はできません。


②同棲の定義とは?

単身向け賃貸で「同棲」する場合、二人までなら入居可物件ならば、許容範囲となりますが、二人入居不可物件ならば、同棲そのものは不可となります。

ただここでいう同棲とは、例えばたった1日宿泊しただけで「同棲」と見做すことはまずできませんし、もしそのお友達が「毎週末」宿泊していると確認出来れば、同棲しているのでは?と、借主に対して相談することは可能です。


ただ、今回のケースはあまりにも「飛躍」した解釈をしているので、オーナーさんの旦那さんが言っていることは、理解することができません。


③借地借家法で一方的に退去させることはできない

オーナーさんの旦那さんは「同棲みたいなことをしていることに対して、契約違反だから即退去しろ!」と感情的になっていますが、そもそも正当理由なしでは、貸主は借主に対して「退去命令」を出すこと自体ができません。


借地借家法によって、貸主が退去させる場合には「退去させる6か月前」までに通知しなければなりませんが、それも借主が合意をしなければ、退去させることはできません。さらに今回のケースでは、オーナーさんの旦那さんの一方的な感情論で「恐喝的な退去命令」をだしていますが、これは退去させる正当な理由とはとても言えないことであり、借主が「退去しません」と言ってしまえば、それまでの話。


むしろ、正当理由なしで退去を申し入れること自体が「借地借家法違反」「賃貸借契約違反」になってしまうので、弁護士に相談して「ちょこっとオーナーさんに相談」すれば、一発でお灸をすえることができます。


さらに、オーナーさんの旦那さんは、借主に対して「恐喝的」な言動を繰り返していたとのことですが、恫喝的な態度をとっていたことを証明することができれば、警察が介入してもらうことができ、少なくともお灸をすえることはできます。



④まとめ

今回のような事例は、少なくとも管理会社物件では「まずありえない」話であり、またもし今回のような「女性単身向け」マンションで、仮に男性(お付き合いをされている方など)が入っていて、契約違反になったとしても、管理会社では「厳重注意」をするだけで、たった1回のミスだけで契約解除にはまずなりません。


もし契約解除となってしまう場合は「明らかな契約違反行為」「何度も注意しても改善がみられない」「ほかのご入居者様に明らか禍に迷惑をかける」等といった理由があれば、契約を解除することもあり得ますが、大抵の場合、トラブル回避のため「司法の判断」を仰ぐのが通例です。


自主管理物件は、管理会社物件と比べると「仲介手数料や更新料」が設定されていないケースがあるので、住みやすいというメリットがある一方で、オーナーさんが賃貸管理に精通していないと、今回のようなトラブルもそうですが、設備が壊れた時も「対応が遅すぎ」てしまったり、さらには退去精算において、本来ならば「経年劣化」として認められる劣化部分を、故意過失による汚損認定してしまう可能性(そもそも利害関係者であるオーナーさん自体が退去精算すること自体が問題ですが…)があり得るので、トラブルを回避したいのであれば、自主管理物件は「おススメ」することはできません。


ただ、どうしても見学した自主管理物件が気に入って入居したい場合には、仲介会社の担当者に「オーナーさんの性格」「過去にトラブルがあったかどうか」などを事前にリサーチして、少しでも怪しいと感じた場合には、入居しないほうがいいのかもしれませんね。



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