毎年1月~3月の時期は、進学や就職、転勤の時期が重なることもあるので、多くの方が賃貸物件に入居/退去されます。
賃貸物件を退去する場合、物件を管理している管理会社に連絡をしなければなりませんが、いつ連絡したらいいのか?また退去予告をした場合における「最終月の家賃支払い方法」やコロナ禍における退去立ち合いに関して、どのように行われているか気になるところですよね?
そこで、今日のブログは「賃貸退去する時、どのような流れで行われるのか?」について、お伝えさせていただきます。
目 次
1.退去連絡をいつ行うかは契約書に記載がある
転勤や戸建て住宅住替えなどによって、「現在の賃貸物件での生活が難しくなり、退去したい」場合には、物件を管理している管理会社に連絡をしなければなりません。
退去予告連絡については、物件によって若干の相違はあるものの、一般的な賃貸借契約書では「退去予告連絡は、退去日の1か月前までに、管理会社に連絡」することになっています。
連絡方法については、管理会社によって違いがあり、電話一本でOKの所もあれば、専用アプリから退去手続きができる所もあります。
なお、退去予告連絡を行った時点において、管理会社では「次のお部屋募集」を即時に行い、時期やエリアによっては「ご入居中のお部屋」であっても、ご退去後すぐに契約ということもあり得る話なので、一度退去予告連絡をした時点において「キャンセルや退去日の変更」は原則としては受け付けていませんので、よく確認した上で連絡して下さい。
2.退去月の家賃支払いは、日割り計算に
退去される場合における「家賃支払い方法」は、違ってきますので注意が必要です。
ご入居中における家賃に関しては、契約上において決まった金額を「家賃支払い日に銀行引き落とし」されていると思いますが、ご退去が確定した場合における「家賃支払い方法」は、日割りで計算されることになります。
なお、物件によっては「退去月の家賃が月割り」=退去日がいつになったとしても、1か月分の家賃をしは割らなければならないこともありますので、注意が必要です。
例えば、3月15日に退去日に指定した場合、2月分の家賃は「今まで通り」の金額を支払うことになりますが、3月分に関しては「15日分の日割り家賃」を支払うことになります。
もし、退去日があらかじめわかっている場合においては、退去日を「可能な限り月初」にすることによって、翌月分の日割り家賃を抑えることが可能となります。
3.退去時に掃除は行った方がいい?
賃貸借契約書の「特約事項」において、退去時に「室内クリーニング」が行われますが、その費用は「借主負担」になっていることが一般的です。
室内クリーニングとは、ご退去されたお部屋を「清掃業者さんが、室内の設備や床をきれいに掃除」してくれます。それでは「掃除を全くしないまま退去」しても問題はないかというと、そういうことではありません。
ここでいう室内クリーニングとは、一般的な汚れなどをきれいに落としてピカピカの状態に戻すことを前提で行われますが、汚れが落ちにくいものがあった場合には、清掃時間が長くなったり、また特殊の薬剤を使用しなければ「汚れが落ちないこと」も、十分に考えられます。
もしこのような汚れを放置したままで、ご退去された場合においては「善管注意義務違反」となり、追加で費用を請求することもあり得ます。
特に汚れが落ちにくい「キッチン換気扇」や「浴室内のカビ」については、日頃からきれいに掃除をする習慣をつけ、引越前日までには再度掃除をしていただく事を、おススメします。
最近のご入居者様の傾向として、退去費用を可能な限り「抑えたい」と考えている方が多いため、室内クリーニング費用を追加で請求されるような方は「殆どいない」と言っても過言ではないほど、少ないケースが多いです。
4.わかりにくい原状回復。どこまでならセーフなの?
賃貸物件においては「退去時原状回復」が求められています。
つまり、退去時には「入居時と同じ状態にして」お部屋を返さなければなりませんが、ただ長期入居した場合、当然ながら「劣化」も発生している可能性が高いことから、どこまで原状回復しなければならないのか、不透明な部分が大きくなってしまいます。
そこで、賃貸借契約書においては「原状回復に関する取り決め」が明記されています。
基本的な考え方としては、入居期間中において…
・通常損耗や経年劣化によって発生した劣化は、オーナーさん負担
・故意過失によって発生した「破損や汚損」に関しては、ご入居者様負担
となっていますの。
原状回復における「借主と貸主負担例」をまとめてみました。
入居期間に応じては、減価償却が認められることもありますが、ただ落書きペット不可物件におけるペット飼育をしていた場合などは、減価償却は一切認められず原状回復費用を請求されてしまいますので、その点は注意が必要です。
【オーナーさん負担となる例】
・日焼け、電気ヤケが原因で、壁紙や床材が変色してしまった場合
・ポスターやカレンダーを貼ったことによる画鋲跡
※なお、物件によっては「画鋲使用も禁止されている所もあります)
・経年劣化が原因と思われる設備不良など
・家具などを置いたことによる「設置跡」
・ご入居者様負担によるエアコン設置のビス跡や設置跡
【ご入居者様負担となる例】
・飲みこぼしなどが原因と思われる床材のシミ、引越し時などで生じたひっかけキズ
・入居期間中掃除を怠ったことが原因で、通常の室内クリーニングでは落としきれない汚れ
・結露を放置させたことによる壁紙の腐食
・喫煙が原因による壁紙の黄ばみ、ニオイが付着している場合
・画鋲以上の大きさの穴をあけた場合(釘穴、ビス穴)
・壁紙や床材に落書きをしてしまった場合
・ペット不可物件で、一時的も含む飼育をしていた場合(フルリフォーム)
・日常の掃除不足が原因と思われる浴室のカビなど
5.コロナ禍における退去立ち合いについて
世界的に大流行している新型コロナウイルスの「感染拡大防止」対策として、退去立ち合いを「原則行わない」物件が多くなってきています。
一般的には、退去日までに「管理会社担当者とご入居者様」が、室内確認を行い「退去精算」を行うことになっていますが、ただ接触する機会を必然的に作ってしまうという観点から、現在では「退去日までに室内を空の状態にして、カギだけを先に管理会社に返却」し、その後マスターキーを使用して、担当者が室内確認を行い、後日「退去費用見積書」をお客様にお渡しして、ご精算して頂く流れとなっています。
なお、物件によっては「重要事項説明(その他事項)」において、解約日当時まで「電気契約を継続」しなければならないことになってします。
これは、設備機器の通電停止に伴う「損傷などの防止」対策として、ご入居者様にお願いしているものです。
6.まとめ
賃貸物件の退去精算に関しては、入居期間中に「きれいに使用」して頂ければ、退去費用が高額になることは「まずあり得ない」話です。
お客様過失による破損や汚損について、例えば「壁紙を落書きしてしまった」場合においては、落書きをしてしまった一面分の原状回復を求められるので、お客様においては「納得して頂く」ことが難しいのですが、汚損させた部分のみを交換することは「不可能である」ため、どうしても一面全体を張替えしなければなりません。
ただ、繰り返しになってしまいますが、退去費用は「お客様次第」で、費用を抑えることは十分可能であることから、それほど心配することではありません。
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