賃貸物件を探している方は、おそらく賃貸入居後「快適な生活」を送りたいと、誰もが思っているはずです。
ただ、残念ながら賃貸に入居された方の約7割は、入居したのを後悔していることが、株式会社AlbaLinkの調べによってわかっています。
同社によると、入居後の不満点で最も多かったのは「騒音トラブル」とのこと。
一般的に騒音トラブルと聞くと、築年数が経過した物件に多いと言われています。
管理担当者の話によると、騒音トラブルは「鉄筋コンクリート賃貸」でも「築浅物件」でも同様に発生しているとのことですので、どの物件でも起こりえる問題と言えます。
ただ騒音トラブルを含む賃貸トラブルで、最も多い物件はどこかというと、ダントツで「家賃が安い物件」に集中しています。
では、どうして家賃が安い物件では、トラブルが多く発生しやすいのでしょうか?
目 次
1.家賃が安い物件の特徴
2.入居者の質が悪い
3.設備対応が遅い
4.入居モラルを守らない人が多い
5.まとめ
1.家賃が安い物件の特徴
家賃が安いと聞くと「オトク感」が満載に聞こえてきますが、家賃が安いということは、何かしらの理由があって、家賃を安くしていると言っても過言ではありません。
【賃貸業界的に家賃が安い物件の特徴】
・物件外壁が誰の目から見ても、汚れている/汚い
・室内設備が古いまま
・共用廊下にモノが乱雑している/掃除がされていない
・物件植栽部分が手入れされておらず、汚らしく見えてしまう
2.入居者の質が悪い
家賃が安い物件は、家賃がオトクである一方「快適性」の部分は、ある意味犠牲にしなければならなくなってしまいます。
家賃が安いということは、それ相応の人も入居してくることになるので、当然ながら入居者トラブルが発生する確率は高くなります。
入居者の質が悪くなると「騒音トラブル」や「些細なことでトラブルに発展」しやすくなり、どちらかが退去するまで、トラブルが続く可能性が出てきます。
3.設備対応が遅い
家賃が安い物件の特徴として、物件を所有しているオーナーさんが、物件投資に対して消極的になってしまうため、本来ならば設備交換が必要なものに対しても「修理対応」としているケースが多いため、結果的に設備トラブルが起こりやすくなり、快適な生活をすること自体が難しくなります。
これは管理会社担当者から聞いた話ですが、とある賃貸物件において、夏場エアコンが故障してしまい、管理担当者はすぐにオーナーさんに連絡して「エアコン交換」をしてほしいとお願いしたところ、そのオーナーさんは「ガス会社による貸与エアコンでないとダメ」と強情に主張した結果、入居者様の親族の方が「怒り心頭」になってしまい、猛クレームを言われてしまったとのこと。
結果的には、貸与エアコンが設置されたものの「設置するまでに時間が経過」したことから、入居者様はオーナーさんに対して「民法611条における家賃減額請求」を起こし、1か月分だけ家賃を減額してもらったとのことですが、夏の時期にエアコンが使えない状態が何日も続いてしまえば、最悪熱中症を引き起こしてしまい、命にかかわる問題となってしまいます。
夏の時期は、エアコン購入需要がひっ迫しているので、すぐに取り付けることが難しいのが本音ではあるものの、オーナーさんがすぐに対応してくれなければ、家賃が安くてもそこに住みたいという考えには至りませんよね?
一方、管理が徹底している物件では、まずこのようなケースは発生しません。
なお、先程の貸与エアコンの件について、担当者から裏事情を聞いたところ、貸与エアコンを取り付ける場合、予算があらかじめ決められているので、例えば12帖の部屋があったとしても、6帖もしくは8帖タイプのエアコンしか取り付けることができないことから、ランニングコストが通常の部屋より高くなる可能性が出てきます。
またエアコン本体も「普通以下」のものが使用される可能性が高くなることから、ご入居者様にとっては、あまりいいエアコンとは言えない可能性が高くなります。
4.入居モラルを守らない人が多い
これは工事担当業者から聞いた話ですが、深夜帯において某団地の上階の部屋から「雨漏り」が発生し、その結果「複数の階下の部屋」まで雨漏り被害発生し、1階に入居されていた方の部屋は、ものすごい量の水が流れてきたとのことでした。
雨漏りの発生原因は、洗濯バンの排水口が「ごみで詰まっていた」とのこと。
洗濯の排水が排水溝に流れなくなってしまい、逆流し部屋中が水浸しになったせいで、階下の部屋に雨漏りが発生してしまったとのことです。
お部屋を借りられる方は、入居期間中に室内を丁寧に使う規定(善管注意義務)があるので、この様な事故を起こしてしまった場合には、ご入居者様には過失責任が発生し、雨漏りの被害に合った方の部屋及び家財、またご自身の部屋の原状回復費用を「自費」で支払わなければなりません。
ただし家財保険に加入している場合には、一部免責はあるものの「大部分は保険金が下りる」ので、多額の費用を支払うことはなくなりますが、ただ家賃が安い物件の中には「家財保険未加入」の方もいる可能性があるので、要注意です。
また、これは同業者から聞いた話ですが、某管理会社物件において、設備劣化が原因と思われる雨漏りが発生し、一部の部屋の壁紙などが被害に合ったとのことですが、ただその管理会社では「至急対応する」と口では言ったものの、対応する気配が全く見受けられず、被害に合われたお客様は「違う部屋」をご紹介すると、管理担当者から言われたものの、その部屋とは同じ棟の違う部屋だったとのことだったのです。
5.まとめ
毎月の家計の支出で、最も支出が多くなるのは「家賃」等の住居費。
ですので、家賃を抑えたい方は、どうしても家賃が安い物件に入居するしか方法はありませんが、ただ家賃が安いということは、何かを犠牲にしなければならないということを示唆しています。
ただどうしても都合によって、家賃が安い物件に入居しなければならない場合には、仲介会社の担当者に「予算内の中で管理が徹底されている部屋を紹介してほしい」とお伝えして頂ければ、お客様の希望に沿った部屋を紹介して頂けるはずです。
Comments