賃貸物件を退去する際には、不動産管理会社の担当者と一緒に「退去立ち合い」を行い、そこで原状回復義務がどちらにあるのかを確認します。
殆どの賃貸借契約書には、退去後に「室内クリーニング」を行うことが明記され、その費用は借主負担となっていることから、退去時に支払う借主費用は「室内クリーニング費用+借主原因による破損や汚損」のみとなります。
賃貸物件においては、生活音(足音)対策のため、クッションフロアと呼ばれる床材を施工している物件が多いのですが、クッションフロアは性質上、フローリングと比べると「弾力」があるため、重たいものを置くと「跡」がついてしまうことがあります。
詳細に関しては、こちらの記事にありますので、ここで割愛させてもらいますが、クッションフロア施工物件による「退去時借主責任」となってしまうものとは、次の通りとなります。なお、クッションフロアを原状回復に戻す場合は、面単位となります。
目 次
1.シミやカビが付着→跡が残った場合
日常生活上において、飲料水などを床にこぼしてしまうことは、よくあることです。
その時、すぐに「拭く」等の対応をしていれば、床材に「シミ跡」等が残るようなことはありません。
しかし、それを放置してしまうと、当然ながら「シミ跡」「カビが付着してしまう」可能性が出てきますが、もしこのような状態になってしまうと、これは明らかに「通常損耗で発生したもの」ではないと考えられますので、借主責任において、原状回復をしなければなりません。
2.冷蔵庫下のサビ跡
冷蔵庫は、基本的に「退去する時か、買い替える時」でなければ、移動することはまずありませんので、長期間その場所にあることになるので、冷蔵庫下がどのようになっているかは、誰にもわかりません。
ごく稀ではありますが、冷蔵庫から「水漏れ」が発生してしまうと、当然ではありますが、床材が濡れてしまい、長期間放置(確認できませんので不可抗力に近いのですが…)したことによって、腐食したりサビ跡がついてしまうことがあります。
一見すると、冷蔵庫を移動させることは原則できないから「これは通常損耗の範疇」と思われてしまいますが、実はこれは契約上「善管注意義務」に含まれてしまうことになるので、もし冷蔵庫下の床材が「腐食」「サビ跡」等がついていた時には、借主責任となってしまいますので、注意が必要です。
3.ひっかき傷
引っ越しや家具などを運んでいる最中に、誤って家具などを床に落としてしまい、「ひっかき傷」をつけてしまうことがあると思います。
床材に関するキズについては、入居前にすでについていたキズに関しては、当然ではありますが、借主負担にはなりません。(管理会社が把握しているケースが多いです)ただひっかき傷に関しては、明らかに「不注意によって発生させたもの」となってしまうことから、もしひっかき傷をつけてしまった時には、退去時精算は借主負担となります。
4.落書き
これはお子さんがいるご家庭に多いのですが、つい床などで「お絵描き」をしている時、間違って「床材にまでお絵描き」をしてしまうことは、どのご家庭でもあり得る話。
お子さん的には、「悪気」などはないため「過失に該当」することは十分理解することができますが、ただ契約上においては「善管注意義務違反」となってしまい、落書きした個所が消えなかった場合は、原状回復費用を請求させてもらうことになります。
5.まとめ
退去精算に関しては、原則として「退去立ち合い日」に担当者と一緒に室内確認を行い、破損や汚損、劣化箇所があった場合、その原因が借主・貸主どちらにあるのかを、一緒に確認した上で、退去精算の見積書を作成することになりますが、ただ現在では「コロナ禍」ということもあるので、退去立ち合いを行わないケースが多くなってきています。
退去日までに「室内を空の状態」にし、カギを管理会社に返却したのち、後日担当者が室内確認をして、精算見積書を作成し、お客様の新居先に郵送することになるので、少し時間がかかる可能性があります。
退去精算に関して、入居期間中「きれいに使用」して頂ければ、退去費用が高額になることは「まずありえない」ので、日頃から掃除をしっかりとしている方であれば、心配することはないと言っても過言ではありません。
#退去費用
#賃貸借契約
Comments