賃貸物件に入居する際、初期費用を必ず支払わなければなりません。
初期費用の金額に関しては、物件ごとに設定が異なっていますが、山梨県内における初期費用の平均は、家賃4か月分と言われています。ただこれはあくまでも平均的なものであり、築年数が浅い物件になってくると、敷金と礼金が加わる可能性が高くなるので、家賃5~6か月分はどうしても発生してしまいます。
お部屋を借りられる方にとっては、出来ることだったら初期費用を抑えたいと思うはずです。そこで、入居申込時に「初期費用の交渉」を行う方がいますよね。
ネット上においては「初期費用の交渉の仕方」についての動画があり、中には交渉次第で10万円近い金額を抑えることができるといったものがありますが、では本当に交渉をすれば成功するのかというと、そういうことではありません。
1.交渉してもOKのものとNGのものがある
ネット上においては、初期費用の中で「敷金」「前家賃」「仲介手数料」「室内消毒料」「24時間管理サポート」「家財保険」は、交渉次第で値下げもしくは無料が可能とあります。
賃貸初期費用を支払う際、見積書を提示することがあると思いますが、これはあくまで仲介会社側が一方的に提示するものであり、オプション扱いのものも含まれていることから、金額が高くなってしまう可能性があります。
ネット上では、先程記した6点は「交渉する余地あり」とありますが、交渉してOKなものとNGなものがあり、全ての項目部分について「交渉してしまう」と、場合によっては「顔色が急に悪くなる」可能性が高くなるので、注意が必要です。
2.交渉してOKなものとは?
初期費用見積書の中に「敷金」「前家賃」「家財保険」が入っている場合には、交渉する価値は十分アリです。
1)敷金
敷金は、「築年数が浅い物件」もしくは「新築物件に設定」している場合が多いです。
そもそも敷金は、担保金的な意味合いがあり、入居期間中に「家賃滞納」「夜逃げ」等がない限り、原則的には退去時に返金されるお金。
また近年では「家賃保証会社」を利用するケースが多くなってきていることから、敷金を預け入れる意味合いが少なくなってきています。敷金交渉に関しては、オーナーさん次第になってくるのですが、交渉は比較的しやすいと思う部分でもあるので、行う価値は十分あります。
2)前家賃
前家賃とは、契約した月と翌月分の家賃を、契約時に支払う費用のこと。
契約した月の家賃は、月の途中からとなってしまうので「日割り家賃」計算となり、翌月分の家賃に関しては、1か月分の家賃を支払うことになります。
交渉するのは、契約月の日割り家賃部分。
大抵の物件では「契約日=家賃発生日」になっていることから、可能な限り月末に契約することによって、簡単に日割り家賃を抑えることができるので、まずは契約日を月末に設定してもらうように、担当者に話してください。
また月末に契約日を設定してもらう時に、数日間家賃を「無料」にできないか、交渉するのも十分アリだと思われます。フリーレントと呼ばれるもので、家賃部分のみが無料(共益費や駐車場代は別となる)となるものですが、これも交渉次第で無料にできる可能性があります。
ただし、フリーレント設定となった場合/最初からフリーレントとなっているものに対しては、単位解約違約金が設定されていることが多いので、短期間で解約すると不利になる可能性が高くなることから、転勤族の方は要注意です。
3)火災保険料
突発的な事故を起こしてしまい、自分の家財/第三者の家財/室内を破損などがあった場合、家財保険を申請すれば、補償の対象となるので、万が一の時にはとても助かります。
家財保険は、車両保険と同じく「掛け捨て」となってしまうことから、保険料はできれば抑えたいところ。
仲介会社では、自社が勧める家財保険を提案することがありますが、知り合いに保険を取り扱っている方がいれば、そこの会社にある家財保険に加入してもOKな場合があります。場合によっては、保険屋さんの家財保険の方が、月々の保険料を抑えることが可能となることもあります。
3.交渉NG なものとは?
仲介会社の担当者は、お客様が交渉してくることは「想定内」と考えているので、交渉すること自体は「受け入れてくれる」のですが、ただ下記の項目に関しては、交渉する/初期費用から外すことになると、お客様にとって不利になる可能性が高くなることから、あまりおススメすることはできません。
1)仲介手数料
仲介手数料とは、物件が契約したことに対して、仲介会社がもらえる契約報酬料のこと。法律で最高でも「家賃1か月分」しかもらうことができなく、また契約が成立しなければ、仲介手数料は発生しません。
さらに仲介会社が初期費用の中で「満額貰える」のは、仲介手数料であることから、この部分に対して「交渉をする」ということは、担当者のモチベーションを下げてしまうことにも。
初期費用(家賃)減額交渉が成立するかどうかは、担当者次第という部分もあるので、仲介手数料の部分は、交渉しないほうが無難です。
2)室内消毒料
室内消毒とは、契約日前までに「専門業者」さんが、室内に入って消毒作業をしてもらうこと。これはオプション扱いとなることから、行うかどうかはお客様次第。
金額的にも2万円近くなってしまうことから、初期費用を抑えたい方にとっては、外した方がオトクになるのではと思ってしまいますが、ただ専門業者さんにお願いしないと、入居して比較的直ぐに「ゴキブリ」が発生しやすくなり、仮に「市販の駆除剤」を散布しても、ゴキブリは「少しの隙間」さえあれば、簡単に室内に侵入してくることから、業者さんにお願いして、隙間をふさぐといった対応を入居前にしてもらった方が、絶対いいと個人的には思います。
3)24時間管理サポート
24時間管理サポートとは、管理会社が営業していない「夜間」「土休日」に、設備トラブルが発生した場合、管理会社が提携している協力会社の方が、現場に急行して対応してもらえるものです。
設備トラブルは「いつ発生」するかわからないことから、24時間管理をしてくれる物件に入居されることをおススメしています。
一部の管理会社では、24時間管理を「外部委託」している関係で、24時間管理サポートを受けたい場合には、有料となってしまいますが、ただ大手管理会社では、24時間管理は無料対応となっているので、見学時などで確認されることをおススメします。
お部屋探しの際、参考になれば幸いです。
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