賃貸物件に住む場合、借りる側としては「少しでも家賃は安いほうがいい」に決まっています。ですので賃貸契約時に、ダメもとでも家賃交渉はしてみたいと思っているものです。
この点に関しては、不動産仲介会社でも心得ているので、交渉することは一向に差し支えはありませんが、ただ交渉があまりにも「しつこい」「威圧的」な場合、このことが入居審査に影響を与えてしまい、最悪入居審査が通らない=所謂ブラックリスト行きになる可能性があるので注意が必要です。
家賃交渉の進め方
部屋を借りる側にとっては、少しでも家賃が安いほうがいいに決まっていますが、部屋を貸す側(オーナーや管理会社)にとって、家賃が安くなればその分利益が減ることになるので、利害が衝突してしまう形になります。
ただ物件を所有するオーナーさんは、空室を埋めたいという気持ちが大きいので、家賃交渉をしてきた場合、減額する金額が小規模(5000円以内)ならば「許可を出してくれる」可能性が高くなります。
また家賃交渉をいつ言い出すかについてですが、入居申込の段階が一番ベストです。
入居審査完了後は、契約書類作成に移りますので、この時に家賃交渉をされてしまうと、業務に支障をきたしてしまう可能性があり、また印象としてもマイナスになってしまうので、もし交渉をしたいのであれば、早めにされることをおススメします。
家賃交渉が失敗する時期と成功する時期
実は家賃交渉が成功する時期としない時期があります。
賃貸業界においては、繁忙期が年2回あると言われています。
最大の繁忙期は1月~3月。この時期は、進学や就職、転勤などによって多くの方が入居してくるので、比較的部屋が埋まりやすくなることから、家賃交渉をしても「難しい」と断れる可能性が出てきます。
また8月お盆明け~9月末ごろは、小規模ながら会社の定期異動がある時期なので、第二の繁忙期と言われています。ただ1月~3月と比べると、部屋を探される方は少ないことから、場合によっては家賃交渉がうまくいく可能性があります。
一方、5月~8月お盆前と、10月~11月にかけては、閑散期となるので、この時期にお部屋探しをされた場合、オーナーさんにとっては空室を埋めてもらえるチャンスと考えることから、家賃交渉が入っても比較的うまくいく可能性が高くなります。
さらに家賃交渉に関してですが、築年数が5年未満もしくは新築物件は、入居時期は一切関係なく、募集開始と同時に入居申込者が多いので、家賃交渉をしても撃沈される可能性が高くなります。
入居審査に影響を及ぼしてしまう?
家賃交渉に関しては、管理会社やオーナーの方針から、場合によってはお断りすることも十分にあり得ます。ただこの時に「威圧的な言動」「無理難題な要求」をしてしまうと、仲介担当者は「この方を入居させてしまうと、トラブルを引き起こす可能性が高い」と判断し、このことを管理会社の担当者に報告します。
物件を管理している管理会社では、入居者トラブルが常に発生していることから、予兆をきたす方がいると、たとえ家賃支払い能力があったとしても、管理上問題が発生すると判断して、入居を断ることもあり得ます。
ですので、家賃交渉がうまくいかなかった場合でも、高圧的な態度などは取らないことをおススメしします。
家賃交渉がうまくいかなかったら?
家賃交渉がうまくいかない場合、家賃が一定期間無料となる「フリーレント」交渉をされることをおススメします。
物件を所有するオーナーさんにとって、設定されている家賃を値引きされるより、一定期間ではありますが、家賃が無料になるフリーレントとした方が、オトクと考えるので、もし家賃交渉がうまくいかなかったら、フリーレントをお願いすると、うまくいく可能性があります。
フリーレントが可能になると、お客様にとってもメリットが生まれます。
契約時に支払う「初期費用」の中には、契約した月と翌月分の家賃(前家賃)が含まれていますが、フリーレントが設定されていると、前家賃分が相殺されることから、初期費用を抑えることが可能となってきます。
ただ、フリーレントがついている物件においては、早期解約を防ぐため「短期解約違約金」が設定されています。これは管理外会社が定める期間より早く解約した場合、違約金を支払わなければならないというもので、大手管理会社の場合では、違約金は家賃1か月としているケースが多いです。フリーレントをお願いする場合/フリーレントが設定されている物件に入居する場合は、短期解約違約金があることをお忘れなく!
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